やばいの意味の変化!若者言葉での意味も一覧で紹介

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このごろ、テレビの影響なのか、小学5年生の子供が、なんでも「やばい!」という言葉を使うようになりました。


父親としては、ちょっとこの「やばい」の使い方は、どうなんだろうとも思います。
とはいえ、言葉の使い方や意味は時代の流れとともに変化していくものです。


やばいと言っている男性

ということで今回は、「やばい」意味変化をみていきましょう。
そして、若者言葉での「やばい」の意味を一覧で紹介しています。


頭では言葉の使い方や意味は変化していくものだとわかってはいるんです。
しかし、この「やばい」の若者による意味の変化は、言葉の崩壊と心で感じてしまうのは、考えすぎなんでしょうか。


その昔、清少納言が書いた『枕草子』にも、言葉の乱れをなげいていることが書かれています。
言葉の乱れは、いつの時代でも、あるものなんですね。

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目次

やばいの意味と由来

やばいという言葉は、昔から使われていた言葉です。
まずは、若者言葉のやばいではなく、昔から使われていた「やばい」の意味と由来をみていくことにしましょう。


野球のピッチャーだって、変化球をおぼえるまえには、まず、直球をしっかりと練習しますよね。
元祖のことがわかっていてこそ、言葉の変化のおもしろさや、不思議さがわかるというものですから^^

やばいの意味

それではまず、やばいのもともとの意味をみていくことにしましょう。

やばいの意味

  • あぶない
  • 不都合だ
  • 具合(ぐあい)が悪いようす


もともと、やばいは、このような意味で使われていました。



それでは、つぎに、やばいの言葉の由来をみてみましょう。
あんがい、この言葉の由来が、おもしろいんですよ^^

やばいの由来

どんな言葉にも、いろんな由来があります。
「やばい」と言う言葉にも、おもしろいいろんな由来があるんです。

やばいの由来その1

江戸時代に、悪人が捕まり入れられた、牢屋(ろうや)。

この牢屋のことを、「厄場(やくば)」と言っていて、そこから、牢屋や牢番のことを隠語で「やば」というようになりました。

その「やば」に形容詞の語尾である「い」をくっつけ、牢屋に入れられる悪いことをすることを「やばい」というようになっていきました。


やばいのもともとの意味を考えると、思わず、納得してしまう由来です。

それでは、つぎの由来をみてみましょう。

やばいの由来その2

泥棒(どろぼう)が、盗みにはいるときに、人に気づかれないように、姿勢を低くし、地面をはうように行くことを、「よはい」と言います。

その「よはい」⇒「やはい」⇒「やばい」と言い方が変化していったという説があります。


この由来も、悪いことをする人に関係することが由来になっています。

どうも、元祖やばいは、悪人に関係することが由来になっているようです。

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やばいの意味の変化

やばいの言葉の由来からわかるように、このやばいと言う言葉は、普通の人は使わずに、悪人のあいだで使われていた言葉でした。


それが、1980年代に、普通の人のあいだで「怪しい」「格好悪い」という意味で、やばいと言う言葉が使われるようになりました。


さて、この「やばい」という言葉が、大きく変化していったのが、1990年代になったからなんです。
1990年代になると、否定的な意味で使われていた「やばい」に新しい意味が加わりました。


それは、「すごい!」「すてき!」といった、物事や状態を肯定的な意味で使われるようになってきたんです。


いまでは、「おいしい!」 、「きれい!」、「かっこいい!」「怪しい」、「格好悪い」などと、肯定的な意味、否定的な意味で使う場合でも、その使い方は無限大になってきています。
たとえば、テレビの食レポで、おいしい焼肉を食べて「この焼肉、やばい!」なんて言ってますよね。


けれども、肯定的にも否定的にも使われますから、問題もあるんです。
さっきの、「この焼肉、やばい!」ですが、この文章を見ただけでは、焼き肉がおいしいのか、まずいのか、さっぱりわかりません。


もともと日本の言葉は、前後の文脈で意味を判断するということが特徴と言えば特徴です。
とはいえ、今の「やばい」の使い方は、いろんな感情を「やばい」という一言でかたずけてしまっています。


「清少納言の時代でも、言葉の乱れをなげいているんだから、しょうがないよ。」と言い切ってはいけないような気が、私はします。


あまりに言葉が乱れてしまうと、文化まで乱れてしまうと思うのは、私の考えすぎでしょうか。
今の言葉の乱れは、笑ってすむ限界を超えてしまいそうになっているような気がします。


正しい言葉の使い方は、いったんくずれ消えてしまうと、もとにはなかなかもどりません。
たとえば、以前、ある政治家が「こんな姑息(こそく)なやり方は許せない!」と怒っているのをテレビでみていました。


たぶん、このときの政治家は「姑息」という言葉を「ひきょう、ずるい」という意味で使っているんだと思います。
しかし、「姑息」という言葉の本当の意味は違います。


もしあなたが、「え?姑息ってそういう意味なんじゃないの?」と思ったら、要注意ですよ^^
ぜひ、「姑息の意味!由来は何?よくある誤用にも注意!」を読んでみてください。
目からうろこが落ちること、うけあいです^^

若者言葉で「やばい」の意味を一覧で紹介

いままで、「やばい」の本来の意味と由来。
そして、若者が「やばい」という言葉の意味を、どう変化させてきたのかをみてきました。


ここでは、まとめの意味もふくめて、若者言葉での「やばい」の意味を一覧で紹介します。

言葉 若者言葉の意味
やばい おいしい
すごい
かっこいい
びっくり
すてき
いい結果
かわいい
すてきな気持ち
似合う
(食べ物が)まずい
残念
かっこ悪い
都合が悪い
悪い結果
かわいくない
気持ちが悪い
似合っていない


まだまだありますが、もうここまでくると、感情系、状態系の言葉なら、なんでも「やばい」の一言で終わってしまいそうですね。

これって、本当に日本語なんでしょうか。


「やばい」という言葉の前後のことがわからないと、さっぱり意味がわからなくなってしまいそうです。

まとめ

このごろ、なんでも「やばい」の一言で感情や状態を表現してしまっています。


もともと「やばい」という言葉は、「あぶない」、「不都合だ」、「具合(ぐあい)が悪いようす」をあらわす言葉でした。
それが、1990年代に入ると、いっきに意味がふくれあがり、ファジーな意味を持つ言葉になってしまいました。


おいしくてもまずくても、かっこよくてもかっこ悪くても、かわいくてもかわいくなくても、もうなんでも「やばい」の一言で終わりです。


感情系、状態系の言葉がみんな「やばい」の一言ですから、その前後のことがわからないと、どんな意味で「やばい」を使っているのか、さっぱりわかりません。


もともと、牢屋や牢番のことを言った「厄場(やくば)」から変化した言葉。
そして、泥棒が人に気づかれないよう、地面をはうように行くことを、「よはい」と言い、それが変化した言葉だとも言われています。


そんな悪人のことが由来している「やばい」が、いまや、なんでもありの言葉になってしまいました。


これを言葉の意味の変化ととらえるか、言葉の意味の乱れととらえるかは、あなた次第です。


私は、昔、清少納言が『枕草子』に書いていたように、言葉の乱れのように思えてなりません。
あなたは、どう思いますか。

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