スポンサーリンク
「蛇足」という言葉知っていますか?
「君の提案はなかなか良い提案だが、今の我が社には蛇足じゃないかね。」
こんなふうにあなたの上司から言われて、もしかしてあなたはこんなこと思っていませんか。
「蛇には足がないんだから、蛇足と言われたのはないものを提案してくれたということで、ほめられているんだ^^」
そんなあなたのために今回は「蛇足」の意味と由来。
さらにこの「蛇足」の使い方で平和をもたらしたヒーローも紹介します。
そしてあなたが「蛇足」という言葉を実践で使いやすいように例文と類語も紹介しちゃいます^^
スポンサーリンク
目次
蛇足の意味
最初に「蛇足」の意味をみていくことにしましょう。
「蛇足」は蛇(へび)+足の2つの漢字でできている言葉です。
へびには普通は足はありませんよね。
なのでへびにとっては足はいらないものということになります。
そこでこの故事成語の意味はこうなるんです。
- 付け加える必用が無いもの
- 不要なもの
- あっても無駄なもの
- 余計(よけい)な行い
へびに足があったらトカゲになっちゃいそうですね。
でも、アシナシトカゲという足のないトカゲもいるんですよ^^
おっと、この豆知識は蛇足の意味を説明するのに付け加える必用が無いものですね。
まさに「蛇足」でした^^
スポンサーリンク
蛇足の由来
蛇足の意味がわかったところで、この故事成語の由来をみていくことにしましょう。
蛇足の由来はお隣の国「中国」の故事からきているんです。
中国は楚の国でのお話です。
お祭であつまった人たちで、蛇の絵を早く描いた人が勝ちという競争をやったんです。
ある人が一番早く蛇の絵を早く描きあげました。
そのままならその人の勝ちだったんです。
ところがその蛇の絵を一番早く描いた人は勝ったことを自慢したくて、つい余計なことをやってしまったんです。
それは自分の描いた蛇の絵に足を描き加えてしまったんです。
つぎに蛇の絵を描き終えた人がこの足の有る蛇の絵を見て言いました。
「蛇に足はないよ。あなたの描いた絵は蛇じゃない。」
せっかく一番早く蛇の絵を早く描いた人は2番目に蛇の絵を描いた人に負けてしまいました。
この話は中国は前漢の時代の学者であり政治家であった、劉向(りゅうきょう)。
このに劉向より政策や逸話を編集された『戦国策』の「斉策」に書かれています。
ふつうなら蛇足の由来の話はここで終わるんです。
でもせっかくですから、この「蛇足」の由来話を使い平和をもたらしたすごい話もお伝えします。
このかっこいい話を蛇足と思うかどうかは、あなた次第です^^
「蛇足」のこんな使い方が平和をもたらした!
劉向が編集した『戦国策』の「斉策」に書かれていた「蛇足」と言う故事成語の由来をみてきました。
ところがこれで終わりではないんです。
なんとこの「蛇足」の話を使って、平和をもたらしたかっこいい話も載っているんです。
そのかっこいい話はこういう話なんです。
古代中国の紀元前403年~紀元前221年までの戦国時代。
そんな時代に楚(そ)の国の昭陽将軍が魏(ぎ)の国との戦いに勝利しました。
昭陽将軍はその勢いのまま、さらに斉(せい)の国にも戦いを挑もうとしていました。
そこで登場するヒーローが縦横家(じゅうおうか)の陳軫(ちんしん)です。
ちなみに縦横家というのは外交の策士で各国を行き来し外交を行うことで、自分の地位を高くする人のことをいいます。
閑話休題。
陳軫は斉の国王からなんとか昭陽将軍が斉を攻めるのをやめさせることはできないかと相談されたんです。
そしてその相談を請け負った陳軫は昭陽将軍に会いに行きます。
ここで陳軫は昭陽将軍に「蛇足」の話をします。
「あなたは魏の国との戦いに勝利したことで、出世は約束されたも同然です。
このうえ斉との戦いに勝ったところで、これ以上の出世は望めません。
もし斉との戦いに負けてしまったら、せっかくの出世がふいになってしまいますよ。
なので斉の国を攻めるのは、まさに蛇足というほかありません。」
この話を聞き昭陽将軍は斉の国を攻めるのを中止してしまいました。
なんと「蛇足」の由来の話を使い斉の国に平和をプレゼントしたんです!
陳軫、かっこいい^^
今の時代に陳軫が生きていたら、ぜひ弟子になりたいものです。
蛇足の使い方の例文
それでは実際に「蛇足」という言葉を使った例文をみていきましょう。
- 蛇足ではありますが、もうひとつ提案させていただきます。
- あなたの話は蛇足ばかりで、何が言いたいのかわからない。
- 蛇足かもしれませんが、あなたのことを思い言わせていただきます。
- 蛇足なことをしても時間の無駄だよ。
- この完璧な設計図になにか描き加えるなんて蛇足にしかならないよ。
蛇足の意味は「不要なもの」「余計な行い」という意味で使います。
でも相手のことを考え相手が気がついてないことを指摘するときにも「蛇足」は使います。
ですので、自分をへりくだり相手の自尊心を傷つけないように使う「蛇足」もあるということなんです。
蛇足の類語
言葉には似た意味の言葉がけっこうあったりします。
それでは「蛇足」の類語はどんな言葉があるのかをみていきましょう。
- やりすぎ
- むだ
- 過剰
- 余分
- 余計
- 不必要
「いまのままでいいのに、なんでそんなことするのかな」
という意味の言葉は「蛇足」の類語になります。
日本では出過ぎたことは嫌がられることが多いので「蛇足」の類語も多くありそうですね。
スポンサーリンク
まとめ
今回は「蛇足」の意味や由来。
そして使い方や類語をみてきました。
蛇足の意味はこうでしたよね。
- 付け加える必用が無いもの
- 不要なもの
- あっても無駄なもの
- 余計(よけい)な行い
さらにそれだけではなく、「蛇足」の由来を使い斉の国に平和をもたらした陳軫(ちんしん)の逸話も紹介しました。
たしかに蛇足的なことはこの世に多くあります。
でも自分をへりくだり相手の自尊心を傷つけないように使う「蛇足」は必要だと私は思います。
自分をへりくだり使う「蛇足」は日本人が持っている優しい心です。
この優しい心はいつの時代になっても、生活が欧米化しても忘れたくはないものですね^^
スポンサーリンク