阿吽の呼吸の意味と由来!金剛力士像は関係あるの?類語も紹介!

スポンサーリンク




卓球やテニスのダブルスの試合で、強いペアがこう言われることがあります。
「あの二人は息が合っていて、まさに阿吽(あうん)の呼吸だね!」


呼吸は、息を吸ったり吐いたりすることですよね。
それはわかるとして、阿吽(あうん)ってなんのことなんでしょうか。


漢字で表現しているところを見ると、歴史がありそうな言葉ですね。


ならば、この「阿吽の呼吸」のことを解明しようじゃありませんか!


阿吽の呼吸で仲の良い鳥

ということで今回は、阿吽の呼吸意味
そして、由来と、あの東大寺にある有名な金剛力士像との関係もみていきましょう。


さらに、この言葉の類語もみていくことで、この言葉の意味をしっかりと身につけることができます。

スポンサーリンク

目次

阿吽の呼吸の意味

まずはこの言葉の意味をみていくことにしましょう。
意味が分かれば、想像がふくらみますからね^^

阿吽の呼吸の意味

阿吽の呼吸とは、二人以上の複数人で、なにかを行うときの微妙な心が通い合うこと。
または、その微妙な心が一致することを意味します。


微妙な心のニュアンスが通じるなんて、これぞ日本の心です!



世界が欧米的な考え方が普通になってきて、「日本人は心で何を思っているかわからない。」なんて言われたりします。
でも、言葉で言わなくても心が通い合う。


これって、とってもステキな、日本人の長所かもしれませんよ。

スポンサーリンク

阿吽の呼吸の由来

それではつぎに、この故事成語の由来をみていくことにしましょう。


阿吽は「あうん」と読みます。


ためしに「あ」と言ってみてください。
「あ」は口を大きく開けて言いますよね。


ではつぎに「うん」と言ってみてください。
「うん」は口を閉じて言います。


このことを覚えておいてくださいね^^
それでは、この「阿吽の呼吸」の由来をみていくことのしましょう。

阿吽の呼吸の由来

「阿吽の呼吸の」の「阿吽」とは、仏教の真言(呪文)なんです。


「阿(あ)は口を開けて最初の出す音。
なので、これは宇宙の始まりを意味します。


「吽(うん)」は口を閉じて出す最後の緒と。
なので、宇宙の終わりを意味します。


口を閉じる開けるから、息を吸うと息を吐くの意味に転じ、二人以上の息が合うことを言うようになったんです。


さらに、この記事を読んでくれている、あなたのために、もうちょっと深く由来を掘り下げてみましょう。


阿吽はサンスクリット語

じつは、この「阿吽(あうん)」とは仏教をもっとたぐっていくと、サンスクリット語までさかのぼるんです。
サンスクリット語とは仏教の生まれた古代インドの文章に使う言葉のことなんです。


この言葉をつくったのが、古代インドでの造物神であるブラフマンとなっています。
その造物神であるブラフマンのことを梵天といい、そこから梵天文字ともいわれています。


その梵天文字の最初の音が「阿」で最後の音が「吽」であることから「万物の根源=宇宙の始まりから終わり=生まれてから死ぬまで」のことを「阿吽」と言うんです。


阿吽の呼吸と金剛力士像

金剛力士像
東大寺で有名な一対の金剛力士像。


この一対の金剛力士像の阿形像の口は開いています。
そして吽形像の口は閉じています。


これぞ、「阿吽の呼吸」の元祖由来だ!といいたいところですが、歴史は狛犬の方が古いようです。


神社にある狛犬(こまいぬ)の口の形を思い出してもらえますか。


一対ある狛犬の片方は口を開けた「阿」の形で、もう片方は口を閉じた「吽」の形をしていますよね。
これも、「万物の根源=宇宙の始まりから終わり=生まれてから死ぬまで」である「阿吽」を表しているんです。


話を金剛力士像に戻して、この一対の金剛力士像の口で表しているのは「阿吽」のことです。
「阿吽」も表しているんですが、金剛力士像は東大寺の南大門の両脇に立っていますよね。


これは、東大寺を仏敵から守るために立っているんです。
なので、仏教の万物の根源を表す、「阿吽」のことも表していますが、この像の大切なことは、寺を守るということなんです。


あの迫力ある金剛力士像が「阿吽の呼吸」の由来を初めて表していると、言いたのはやまやまですが、そこは狛犬にゆずることにしましょう。

類語

さて、ここまでは「阿吽の呼吸」という故事成語の意味と由来をみてきました。


ここでちょっと気分を変えて、この言葉の類語をみていくことにしましょう。

阿吽の呼吸の類語

  • 足並みをそろえる
  • 以心伝心
  • つうと言えばかあ
  • シンクロ
  • 息が合う
  • 暗黙の了解


どの言葉も、いちいち言葉で言わなくても、心が通い合うことでわかるでしょ。

という感じで使う類語になります。


なかなかこういう言葉は、欧米には少ないんではないでしょうか。

例文

ここまで「阿吽の呼吸」という故事成語の意味や由来、そして類語をみてきました。
では、せっかくですから、この言葉を使った例文を紹介します。


例文を紹介することで、あなたもこの「阿吽の呼吸」を日常で使ってみてくださいね^^

阿吽の呼吸の例文

  • 私の言葉足らずの説明も、友達は阿吽の呼吸で理解してくれた。
  • 日本では阿吽の呼吸を大切にするが、欧米ではそれでは相手に何も伝わらない。
  • テニスのダブルスの試合で初めてペアを組んだが、阿吽の呼吸で勝利できた。
  • 織田信長がなにがやりたいのかを、秀吉は阿吽の呼吸で察することができた。
  • 大切な商談で、部長の目配せを阿吽の呼吸で察して、値引きすることなく商談が成功した。
  • 幼なじみの彼とは、言葉で言わなくても、阿吽の呼吸でなんでも通じる。


どの例文も、心と心で会話するという、日本人の得意技からきた例文です。

しかし、今の子供たちの会話には、この心と心で会話するということが、減ってきたような気がします。


良いことなのか悪いことなのかの判断は、今の子供たちにゆだねることにしましょう。

まとめ

阿吽の呼吸の意味は、二人以上の複数人で、なにかを行うときの微妙な心が通い合うことです。


そしてこの故事成語の由来は、仏教と仏教をさかのぼったサンスクリット語からきています。


日本人には違和感のないこの故事成語。
しかし、思っていても、言葉にしないとわからないという欧米人には、このニュアンスを伝えるのは難しそうです。


心と心で会話する「阿吽の呼吸」は、大切にしたいステキなことではないでしょうか。


ただ、この相手の心を読みすぎると、つまり、忖度(そんたく)しすぎると問題が起こったりもします。
このへんは、微妙な問題なのかもしれません。


ちなみに、忖度(そんたく)ってなんのことだと思ったら、この記事が参考になります。


「忖度の意味や例文を紹介!忖度文化や忖度政治の内容も解説」を読んでみてくださいね^^

スポンサーリンク