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政治関係のニュースで、「与党は」とか「野党は」という言葉がよくでてきます。
私は、なんとなく、よく聞く言葉なので、聞き流していました。
それでは、「与党ってどんな党のことを言い、なぜ与党というの。」
さらに、「野党とはどんな党のことを言い、なぜ野党と言うの。」
しかも、「与党と野党ってどんな違いがあるの。」
こんな質問をされたら、あなたはどんなふうに答えますか。
そこで、今回は与党と野党の違いをわかりやすく紹介します。
さらに、衆議院と参議院で与党と野党との関係についても紹介しています。
また2021年の総選挙のことについては「総選挙とはわかりやすく解説!何年ごとの選挙で衆議院参議院どっち?」をお読みください。
今回の記事を読めば、あなたは、与党と野党のことを、他の人に、わかりやすく説明できるようになりますよ。
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目次
与党と野党の言葉の語源
それでは、それぞれの言葉の語源をさぐっていきましょう。
与党の「与」とは、仲間になる、味方する、くみするという意味があります。
つまり、政権(内閣)の味方をする党というのが与党の語源です。
なので、政権を支持し、政権の味方をしてあげる党のことを、与党というのです。
では次に、野党の語源をさぐっていきましょう。
野党の「野」を使った言葉で「野に下る」という言葉があります。
これは、「官職をやめて、民間の生活にもどる」という意味です。
つまり、「野に下っている党。」ということで、政権を支持しない、味方をしない党のことを、野党というのです。
一時的ではなく、つねに政権(内閣)の味方をするかしないかで、与党、野党にわかれるんですね。
ではつぎに、与党、野党の共通の漢字である「党」とはなにかをさぐっていきましょう。
党とは何のこと
「党」という漢字は音読みで「トウ」と読みます。
そして、訓読みでは「なかま」と読みます。
「なかま」ですから、政治の世界で「党」というのは、同じ考え方を持つ人たちが集まったものです。
ですから、政権(内閣)の考え方と同じ考え方の人たちが集まったのが与党となります。
そして、政権(内閣)と違う考え方の人たちが集まったのが野党となります。
国会のなかには、この「党」がいくつもあります。
国会の中で、同じ考え方の人たちが集まった集団を政党と言います。
それでは、政党がいくつもある国会とは何なのでしょうか。
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国会とは何か
日本は、法治国家です。
法治国家とは、国会で決められた法律にもとづいて、政治が行われている国のことです。
たとえば、政府といえども法律に違反することはできません。
悪いことをすれば、法律にもとずき警察に逮捕されてしまいます。
あなたが、毎日、安心して暮らせるのも、法律があるからですよね。
そして、このいろんな法律をつくるのが、国会の重要な仕事なんです。
国会にこんな法律をつくりたいと、国会に提出されるものを法案といいます。
法案は、国会で議論されて、承認されると法律になります。
この法案を提出し、法律をつくることができる力のことを立法権といいます。
国会は、あなたの生活、そして国の将来を考えて、法案を出し、法律をつくるところなんです。
その国会は、衆議院と参議院で成りたっています。
衆議院と参議院
衆議院には、475名の衆議院議員がいます。
任期は、4年ですが、途中で解散があればそれまでです。
参議院には、242名の参議院議員がいます。
任期は、6年です。
衆議院議員と参議院議員のことを通称「国会議員」と言います。
国会の議員ですから、法案を提出する議員ということです。
では、ここまでの流れを、まとめてみましょう。
- 与党、野党の「党」とは、同じ考え方を持つ人たちが集まったもの
- 与党とは、政権を支持し、政権の味方をしてあげる党のこと
- 野党とは、政権を支持しない、味方をしない党のこと
- 与党、野党の人たちが、働くのは国会
- 国会で働く、与党、野党の人たちを国会議員という
- 国会は、法案を提出し、法律をつくるところ
与党、野党の国会議員は、国会で法案を提出し、法律をつくるのが仕事なのは、同じことなんですね。
それでは、与党と野党の違いはいったいなんなのでしょうか。
与党と野党の違い
もともと同じ国会議員の同じ意見を持つ人たちがあつまる「党」なのに、どうして与党と野党に区別されてしまうのでしょうか。
与党と野党はどうやって決まるのか
いろんな政党があるのに、どうして与党と野党にわかれるのでしょうか。
それは、それぞれの党の国会議員の人数できまるのです。
国会では、いろんなものごとを決めるのに取る方法は、多数決なんです。
ですから、衆議院、で半分より多く国会議員が所属する政党が与党となり、その他の党は野党となるのです。
与党ができること
与党には与党しかできないことがあります。
それはなんなのでしょうか。
政府をつくることができる
衆議院で解散が行われたり、4年の任期が終わり、総選挙が行われたあとに、政府をつくるために、内閣総理大臣を選ばなくてはいけません。
内閣総理大臣も、多数決により選ばれます。
与党は自分たちの党首を、過半数の数の力で、内閣総理大臣の選出することができます。
つまり、政府をつくることができるのです。
政府は日本国民を幸せにするために、いろんな政策をうちだし、実践することができます。
この力のことを行政権といいます。
行政権は与党しか持てない力なのです。
法案を可決し法律にする
法案を提出することは、野党でもできます。
でも、法案を可決するためには、国会の過半数の国会議員の賛成が必要になります。
ですから、過半数の国会議員がいる与党が反対すれば、法案を可決することができないのです。
逆に与党は、過半数の国会議員の賛成をもって、法案を可決させ、法律にすることができます。
衆議院の解散権
日本国憲法第69条、第7条により、内閣総理大臣は、衆議院を解散することができます。
内閣総理大臣は与党の党首ですから、この解散権も与党が握っている、与党しかできないことの、ひとつなのです。
予算案の作成
日本国憲法第86条により、内閣は、国の予算をどういうふうにするのかを、作成することができます。
内閣ができるということは、与党の意見を取り入れることができますから、与党ができることの、ひとつになります。
野党ができること
それでは、与党に過半数を握られ、法案も可決することができない野党。
そんな野党にできることは、あるのでしょうか。
内閣不信任案の提出
内閣不信任案の提出とは、「今の内閣には、国のかじ取りを任せることはできない。」と野党が決断した時に提出されるものです。
内閣不信任案が提出され、可決されたときにはどうなるのでしょうか。
それは、日本国憲法第69条により、内閣総理大臣は、内閣総辞職か衆議院解散かのどちらかを選択しなくてはなりません。
しかし、実際には過半数の数を握る与党の反対で否決されることが多いんです。
野党の役割
ここまで見てきたように、野党は法案を可決させることも、行政権を使うこともできません。
そんな野党に存在価値はあるのでしょうか。
与党の暴走を防ぐ
もし、与党しかなかったら、行政権と立法権を持っている与党は、自分たちの思いどおりに国を動かそうとするかもしれません。
そこに、国民の意思や考えは入り込む余地がありません。
万が一、与党がそんな暴走をしようとしたときに、それを止めるのが野党の役割なんです。
国会の内容は、密室で行われるものではありません。
テレビ中継もちゃんとあります。
国民は国会でどんな意見が話し合われているかを知る手段を持っています。
なので、与党が万が一にも暴走をしようとしたときには、野党は国民にその暴走は間違っていると訴えかける役割があります。
与党の暴走に対し、そのかわりの案を出し、国会で議論をしなくてはいけません。
そして、国民に与党は間違った方向に国のかじ取りをしようとしていると、世論に訴えかけなくてはいけません。
与党議員といえども、次の選挙で落選すれば、国会議員の資格を失ってしまいます。
国民の世論を無視し続けることは、次の選挙で落選するかもしてないというリスクがあるのです。
ですから、野党は与党の暴走を止める役割をになっているんです。
与党を目指す
野党がそれまでの与党にとってかわると、どうなるのでしょうか。
今まで与党に反対されできなかった、自分たちの意見を実行に移すことができるようになります。
多数決で受け入れられなかった、少数意見であった、自分たちの政策を実践することができるのです。
ただ、与党に反対するだけではなく、確固たる信念をもって、政権与党を目指すのも、野党の役割なのです。
まとめ
では、与党と野党の違いをまとめてみましょう。
ものすごく簡単に言うとこうなります。
与党は国を動かしていく政党。
野党は与党を監視し、次の与党を目指す政党。
与党も野党も国のことを考えて働いていることに違いはありません。
ですから、野党も選挙で過半数を取ることを目指しているんです。
それでは、もうすこしくわしく、与党と野党の違いを、まとめてみましょう
- 与党とは、政権を支持し、政権の味方をしてあげる党のこと
- 政府をつくることができる
- 法案を可決し法律にすることができる
- 内閣総理大臣を選出することができる
- 政策を実践することができる
- 予算案を作成することができる
- 衆議院を解散することができる(正確には与党が選出した内閣総理大臣)
- 野党とは、政権を支持しない、味方をしない党のこと
- 内閣不信任案を提出することができる
- 与党を監視する役割がある
- 次の与党を目指している
- 与党の政策の代わりの案を出して、国会で議論する
- 世論を味方にして、少数意見を認めさせようとする
しかし、下に述べるような野党ならその存在価値はありません。
与党の政策に代わりの案を出さずに、反対しかしない野党。
重箱の隅を楊枝でほじくるように、与党のミスを待っている野党。
実行力がないのに、理想ばかり言う野党。
選挙のことを考え、国民の顔色ばかりうかがって、理想論ばかり言っている野党。
こんな野党は日本にはいないはずですよね。
与党も野党も、国民の幸せのために、力の限り働いてくれているはずです。
そして、与党、野党を監視するのは、あなたの役目です。
その役目をはたすには、選挙に参加し、あなたの一票を投じることが必要です。
あなたの一票が、与党の暴走を防ぐことにもなります。
あなたは、与党、野党のどちらを応援しますか。
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