姑息の意味!由来は何?よくある誤用にも注意!

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「姑息(こそく)」という言葉があります。
日常会話でもときどき使われますよね。

 
私は営業マンですので、こんな会話を聞くことがあります。

 

例えば、「姑息な方法を使われて、契約を取られてしまった。」
この「姑息な方法」ってどんな方法なんでしょうか?

姑息の意味は?由来は?と叫んでいる少年

「姑息」という言葉の意味がわかれば、
「姑息な方法」ってどんな方法なのかわかっちゃいますよね。

 
この記事では「姑息」と言う言葉の意味や由来。
そしてよくある誤用についてわかりやすく紹介します。

さあ、あなたを「姑息」と言う言葉の謎解きの物語へご招待いたします。

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目次

姑息(こそく)の意味

「姑息」とは「その場しのぎ」「一時しのぎ」という言葉の意味なんです。

物事の根本的な解決はしないけれども、その場しのぎの対応をするということです。

 

例えば、歯が痛くなったけれどいそがしくて歯医者にいけない時。

 

歯痛をやわらげるために薬局で薬を購入して飲んでその場をしのぐことってありますよね。

 

歯の根本的治療方法は、歯科病院に行き治療することです。

 

薬で一時的に痛みをやわらげる方法は「姑息な方法」です。

 

このように「その場しのぎ」「一時しのぎ」なことを「姑息」と言います。

 

ではなぜ「姑息」は「その場しのぎ」「一時しのぎ」という意味になったのでしょうか?

 

その由来(ゆらい)を説明しますね。

 

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姑息の由来

姑息は2つの漢字からできている言葉です。

 

それぞれの漢字の意味を知ることで、「姑息」の由来がわかるんです。

 

まずは「姑」という漢字です。
この「姑」という漢字は訓読みで、「しゅうとめ」、「しゅうと」と読みますが「しばらく」とも読みます。

 

姑息」の「姑」は「しばらく」という意味で使われているんです。

 

次に「息」という漢字です。

 

この「息」という漢字は訓読みで、「いき」、「やむ」、「いこう」、「やすむ」と読みます。

「息」は「やすむ」、「やむ」という意味で使われているんです。

 

 

この「姑(しばらく)」、「息(やすむ、やむ)」をつなげて「姑息(こそく)」という言葉になりました。

 

息のやすむは休息のことで、やむは終わるということ。

つまり「姑息」という漢字は「しばらく休憩、一時終わらせる」ということなんです。

 

わかりやすく現実問題に置きかえてみましょう。

 

困ったことが起こったり、どうしても物事の問題が解決しない時に、こんなことになっちゃいませんか?

 

「気分転換に一時休憩!」「いったんこの問題は一時先延ばしにしときましょう!」なんてことに。

 

一時休憩も問題の一時先延ばしも、問題の根本的な解決にはなりませんよね。

 

まさに「しばらく休む」「一時終わらせる」ですよね。

 

 

これを漢字に置きかえると「姑」+「息」で姑息になります。
そこから「姑息」という言葉は「その場しのぎ」「一時しのぎ」という意味で使われるようになったんです。

 

次はよくある「姑息」の誤用を紹介します。

 

よくある誤用

「姑息」という言葉を使った誤用で一番多いのが次のような使い方です。

 

「彼は競争相手に勝つために、姑息な手を使った。」

 

これは、「競争相手に勝つためにひきょうな手を使った。」
という意味合いで姑息という言葉を使用したものです。

 

「姑息」に「ひきょう」という意味はありません。

 

ただ、一番多い誤用がこの「ひきょう」という意味で「姑息」という言葉を使用しています。

 

文化庁が行った平成22年度の「国語に関する世論調査」においてもその結果がでています。

 

「姑息」を本来の意味である「一時しのぎ」と答えた人は15%

それに対し、誤用の意味である「ひきょう」と答えた人は70,9%にもいたんです。

いかに多くの人が「姑息」と言う言葉を誤用しているかがわかります。

文化庁月報 連載「言葉のQ&A」の「国語に関する世論調査」より 

 

そこで、姑息という言葉の誤用で多い卑怯(ひきょう)という言葉との違いを知っておきましょう。

 

 

姑息と卑怯(ひきょう)との違いは?

姑息の意味は「一時しのぎ」ということです。

 

それに対して卑怯の意味は「勇気が無くて、あらゆる事に対して挑もうとしないこと」です。

 

このように姑息と卑怯はまったく意味の違う言葉なんです。

 

 

ただ、姑息と卑怯という言葉は意味はまったく違いますが、「一時しのぎで答えを先延ばしする。」

この姑息な方法は問題に対し挑もうとしないことです。

なんだか卑怯と言われても仕方がない方法ですよね。

あれ?

なんだか卑怯なことって姑息の意味と取り間違えてしまいそうですね。

 

姑息と卑怯は意味は全く違うんですが「一時しのぎ」ばかりやっている人。

 

これは物事にまったく挑もうとしていませんから卑怯な人と思われてしまいます。

 

姑息と卑怯は言葉の意味は違いますが、「一時しのぎ」と「挑もうとしない」

 

この意味が関連していることが、姑息を卑怯という意味で使われてしまう原因かもしれません。

 

まとめ

姑息の意味は「一時しのぎ」「その場しのぎ」ということです。

由来は「姑息」の読み方からわかります。

 

「姑⇒しばらく」「息⇒やすむ、やむ」と読みます。

 

そこで「しばらく休む」「一時終わらせる(やむは終わらせるという意味)」という意味になったんです。

 

「姑息」はよく「卑怯」という意味で誤用されます。

 

「姑息な手を使われた」を「卑怯な手を使われた」という意味で誤用されるのです。

 

ただ言葉の意味は時代とともに変化していきます。
たとえば古文でよくでてくる「あはれ」という言葉。

 

 

「あはれ」は今の言葉に直すとしみじみとした趣(おもむき)があるとなります。

 

今は「あわれ」と聞けば「かわいそう」という意味でつかいますよね。

 

「姑息」もほとんどの人が「卑怯」という意味で使い続ければ意味も変わっていくかもしれません。

 

でも「姑息」は今は「一時しのぎ」「その場しのぎ」という意味で使いませんか。

言葉は先人から受け継がれた大切な宝物ですから。

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