世襲制とは?メリットとデメリットは?どんな職業が世襲制なのか

スポンサーリンク




あなたは、世襲制という言葉を聞いたことがありますか。
民主主義だといわれている日本でも、世襲制は数多く存在します。

では、世襲制とはどういう意味なんでしょうか。


世襲制の歌舞伎

そして、この制度のメリットとデメリットはどんなことがあるのでしょうか。
さらに、日本ではどんな職業にこの制度が使われているのでしょうか。

今回は、古代より現在まで存在する世襲制について紹介します。

スポンサーリンク

目次

世襲制の意味

世襲制とは、地位や職業を親から子へその地位や職業を受け継いでいくことです。
法律的に定められている場合と慣習的に受け継いでいく場合があります。

日本では、天皇制は「皇室典範」という法律により、皇位の継承は決められています。
慣習的に受け継いでいくものとしては、個人経営の会社や、歌舞伎の役者などがあります。
このごろは、政治家も親の人脈などを受け継いで子供が政治家の地位を受け継ぐことも多いようです。

それでは、地位や職業を受け継いでいくわかりやすい例をあげましょう。
それは、江戸時代の大名制度です。


大名は基本的には、男の長子が大名の地位と権利を受け継いできました。
もし、天才的に優秀な人材がいたとしても、大名の血縁でない限り、大名になることはできませんでした。

世襲制では、地位や職業は基本的に直系の血縁者が受け継いでいくものなのです。

スポンサーリンク

メリットとデメリット

日本でも古代から存在する世襲制ですが、メリットとデメリットがあります。
それでは、そのメリットとデメリットを紹介します。

メリット

一番大きなメリットとしては、地位や職業を受け継ぐ人があらかじめ決まっているということです。
ということは、地位や職業を受け継ぐときに迷いが生じることがありません。


また、受け継ぐ人は、地位や職業を受け継ぐための知識や経験などを、あらかじめ学ぼうという気構えも生まれます。



メリットの例として、会社を世襲制で引き継いでいく場合を見てみましょう。

社長の後継ぎがきまっていますから、後継者は社長が健在なうちに、会社経営のノウハウを学ぶことができます。
また、会社経営に必要な人脈の引継ぎもスムーズに行うことができます。


さらに、社長を子供にゆずり、自分は会長職などになれば、新社長のサポートをすることもできます。
それで、新社長になったからと、会社の経営が急におかしくなることをさけることもできます。


メリットのもうひとつの例として、歌舞伎の役者を見てみましょう。

歌舞伎役者の家に生まれた男子は、生まれたときから、歌舞伎役者を受け継ぐことが慣習的になっています。
長い歴史を持つ歌舞伎の技や業(わざ)、役者としてどんな生活をしていくべきかなど多くのことを、子供の時から学ぶことができます。


では、デメリットはどんなものがあるのでしょうか。

デメリット

メリットの例として、会社の社長を引き継ぐ場合を紹介しました。
では、社長を引き継ぐべき人が、能力不足のときには、その会社はどうなっていくのでしょうか。

前社長が健在のうちはいいのですが、新社長一人で、会社経営をしなくてはならなくなったとき。


会社の将来が、もしかしたら危ういことになっていくかもしれません。

デメリットの一番大きな要因は、その地位や職業を受け継ぐ人が、能力不足な場合に、その地位や職業が途絶えてしまう可能性がるということです。

能力不足な人が世襲制で受け継いだ時、会社なら会社を存続することが難しくなるでしょう。
また、地位を受け継いだ時は、その地位に値する尊敬を受けることができずに、その地位の価値そのものがゆらいでいくかもしれません。

どんな職業が世襲制なのか

代々、いろんなことを引き継いでいく世界には、世襲制をとっていることが多いようです。
しかし、日本は憲法で国民の権利として、「職業選択の自由」があります。


ですから、絶対的な世襲制の職業と言うのは、建て前的にはありません。

ただ、メリットでも述べたように、世襲制にした方が、芸や技や業(わざ)、そして知識などを伝えやすい職業はあります。

世襲制が慣習的になっている職業

  • 歌舞伎
  • 狂言
  • 陶芸
  • 同族経営会社
  • 老舗(しにせ)の会社
  • 家元


伝統芸能や、歴史ある家元、血縁で経営陣を独占している会社などが世襲制が、慣習的になっている職業になっていることが多いようです。

まとめ

世襲制にも、メリットとデメリットは存在します。


ただ、伝統芸能や伝統技能を後世に残していくには、世襲制は良い制度ではないでしょうか。
もちろん、能力主義でいくべきだという考え方も否定はしません。


しかし、長い歴史がある職業は、いったん、とだえてしまうと、その芸や技能を復活させることは難しいことです。
伝統芸能や伝統技能は、日本の文化として残していかなければいけないものも多いと私は思います。


悪い面と良い面を持っているこの制度。
とはいえ、この制度が世界の文化を後世に伝え残す役に立っていることは事実です。


私は営業マンですから、能力主義の世界で生きています。
そんな私でも、世襲制の良い面があることは認めます。

どんな制度にも、メリットとデメリットが存在します。
ですから、世襲制のメリットを伸ばしていくかどうかは、その世界で生きていく人にかかっています。

スポンサーリンク