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あるときの会社内での会話です。
私が勤めている会社では、お中元、お歳暮シーズンがとくに忙しくなるんです。
とくにお歳暮時期なんかは休みが無くて・・・。
いやいや私事で失礼しました^^
ところで上の会話では「佳境に入って休日出勤が増えた」と言ってます。
これって「佳境に入る」を「忙しい」という意味で使っています。
「忙しいから休日出勤が増えた」ということのようです。
ビジネスの世界では「佳境に入る」=「忙しい」という意味で普通に使ってます。
そう普通に・・・。
おや?勘の鋭いあなたはもしかしてこんなふうに思ってませんか。
「わざわざ記事にするくらいだから、佳境に入るを忙しいと言う意味で使うのは間違っているのかも。」
あなたのその勘は正解か否か!
ということで今回は「佳境に入る」の意味と類語。
さらにこの言葉の由来はどこからきているのかもみていきましょう。
言葉の由来がどうサトウキビと結びつくのか?
この記事にはその答えも書いていますから、ぜひ読んでみてください。
それではまいりましょう。
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目次
佳境の意味
佳境(かきょう)に入るは「佳境(かきょう)」+「入る」に分けることができます。
「入る」の意味はわかりやすいですから「佳境」の意味をみていくことにしましょう。
漢字ふた文字で成り立っているこの言葉。
ですのでそれぞれの漢字の意味からせめていきましょう。
佳の意味
まずは「佳境」の「佳」からみていきましょう。
- すぐれている。
- よいこと。
- 美しい。
コンクールで佳作とか言われるとなんかちょっとだけがっかりしたりしますが、本当は優れていると言う意味なんですね
境の意味
それではつぎに「佳境」の「境」をみていきましょう。
- 区切り・・・隣の土地との境(さかい)と使ったりします。
- 分かれ目
- ある範囲での場所
ある場所を区別したり、ある範囲内での場所のことを指し示す言葉なんですね。
佳境の意味
「佳境」=「佳」+「境」です。
つまり、「佳境」とは「ある境(さかい)から優れているところになる」ということになります。
- 景色のよい場所
- 興味を感じることができる場面
- おもしろい場面
ある区切りを超えた境(さかい)から面白くなっていくということなんですね。
佳境に入るの本来の意味
それでは、「佳境に入る」とは本来どんなことを意味しているんでしょう。
それは「小説、物語、演劇、映画などで、最も面白く見ごたえのあるところに入る」ということなんです。
なので最初に書いていたようなビジネスの世界で「佳境に入る」を「忙しい」という意味で使うのは本当は間違っています。
しかし言葉は生き物なんです。
いろんな使われ方をすることで、その意味も多様化していきます。
- ギフトシーズンが佳境に入ると、忙しくて休む暇もない。
- 寒ブリの漁も佳境に入ってきた。
このように「忙しい」「最盛期になる」という意味で実際に使われています。
ですから「最も面白く見ごたえのあるところに入る」という本来の意味。
そして「忙しい」「最盛期になる」という本来の意味とは違う使われ方も一般的になっています。
なのでこの使われ方を間違った使われ方とは一概には言えないんです。
だって言葉は生きていて、意味も変化していくものですから。
私も営業マンなので「この仕事も、佳境に入って休日出勤が増えたね!」なんて使っちゃうんです。
せっかくこの記事を読んでくださっているあなたには、「佳境に入る」の本当の意味。
そして使われ方で変化していった意味の2つの意味を知っておいてほしいなとおもっています。
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類語
ではせっかくなので類語もみていくことにしましょう。
多くの言葉を知ることであなたの会話の引き出しを増やしちゃいましょう。
- 天王山
- 最大の見せ場
- 最高潮
- クライマックス
- 山場をむかえる
- 佳境をむかえる
ある境(さかい)を超えるとそこに「佳」というすぐれたものが待っている。
類語もそんな意味を持っている言葉です。
天王山とは京都府南部にある標高270mの丘のことをいいます。
豊臣秀吉がここに陣をはり明智光秀を破った1582年の山崎の戦いが有名です。
そこから「勝負のわかれめとなる大切なこと」を「天王山」というようになりました。
由来はサトウキビ!?
「佳境に入る」という言葉の由来はどこからきているのでしょうか。
それではサトウキビとのつながりをみていくことにしましょう。
その昔、西暦350年ぐらいに顧愷之(こがいし)という有名な画家がいたそうです。
その顧愷之(こがいし)がサトウキビをかじる時。
甘くない根のほうからかじっていったそうです。
何で甘くない方からかじるのかと聞かれた顧愷之は答えました。
「漸入佳境(ようやく佳境に入れる)」と。
甘くない方からサトウキビをかじり、ある境(さかい)からだんだん甘くなることが嬉しかったんでしょうね。
この顧愷之(こがいし)のサトウキビの食べ方が「佳境に入る」の由来なんです。
このことは「晋書(じんじょ)」という伝記に書かれています。
こんな逸話で言葉を数百年後の今に残すなんて、よほどの人物だったんでしょうね。
まとめ
いろんな使われ方をする「佳境に入る」。
この言葉の本来の意味は「小説、物語、演劇、映画などで、最も面白く見ごたえのあるところに入る」です。
ただ今ではこんな使われ方もしています。
- ギフトシーズンが佳境に入ると、忙しくて休む暇もない。
- 寒ブリの漁も佳境に入ってきた。
このように「忙しい」「最盛期になる」という意味でも使われるようになりました。
言葉は時代の流れとともに違う意味で使われるようになり意味も変わっていくことがあります。
それにしても「佳境に入る」の由来がサトウキビの食べ方からきているなんて、ちょっと驚きです。
今の時代ならSNSを使い、何か新しい言葉を後世に残すこともできるかもしれません。
ちょっと挑戦してみるのも楽しいかもしれません。
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