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「一所懸命」という言葉があります。
この言葉、普段使いますか。
もしかして、「一生懸命」のほうを使いませんか?
「一生懸命にがんばります!」なんて使ったりしますよね。
この似ている言葉「一所懸命」と「一生懸命」。
どこがどう違うんでしょうか。
ということで今回は、まずは、一所懸命の意味と語源を紹介しています。
そして、同義語と、一所懸命とよく似ている「一生懸命」とはどう違うのかもみていきましょう。
実は、この似ている言葉は、関連性があるんですよ。
それでは、みていくことにしましょう。
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目次
一所懸命の意味と語源
一所懸命と言う言葉の意味は、日本の武士世界のその意味を求めることができます。
まずは、意味から見ていくことにしましょう。
意味
一所懸命の意味はこうなります。
- 日本における中世に、武士が与えられた土地(所領)を、命をかけて守り、その土地を頼りにすること。
- 命がけで取り組むこと。
- 切羽詰まっている状態のこと。
武士は土地(所領)が無くなってしまえば、何の意味もなくなってしまう階級です。
土地(所領)あってこそ、その土地に住む人たちを治める、武士階級の存在意義があるというものです。
語源
一所懸命の語源は、この言葉の意味にもある、武士が先祖から受け継いできた土地(所領)。
君主から賜った、その土地(所領)を命懸けで守ったことに由来します。
一所懸命は一所+懸命に分けることができます。
一所は与えられたひとところの土地(所領)のこと。
懸命は命懸けということです。
中世武士は、自分の土地(所領)を与えてくれた主君のために戦い、土地(所領)を守り抜いて行ったのです。
土地(所領)を命懸けで守り抜くことで、一族郎党が暮らしていけたんですから。
土地(所領)が無くなった武士は、木から降りた猿とおなじで、活躍する場所が無くなってしまうんです。
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同義語
それでは、この武士が命懸けで、土地(所領)を守るのと同じ意味の言葉をみてみましょう。
- 一心一意
- 一心不乱
- 無我夢中
- 一意専心
どの言葉も、何事にもまじめに、熱心に取り組むことを意味する言葉です。
あなたは、こういう意味の言葉、好きですか。
それとも、時代錯誤の古い考えだと思いますか?
私は営業マンですが、根性主義一辺倒の考え方は、否定します。
しかし、熱意無くして成功無しの考えには賛成します。
なんでも、成功するテクニックばかり追っていても成功は無いと思います。
テクニックは、もちろん大切ですが、そこに熱意が加わらないと。
だって、人間なんですから。
一所懸命と一生懸命の違い
いままで、一所懸命の意味や語源、そして同義語をみてきました。
それでは、似ている言葉の「一生懸命」とはどう違うのでしょうか。
まずは、一生懸命の意味から見ていくことにしましょう。
一生懸命の意味
この言葉の意味はこうなります。
- 命懸けで、熱心に物事に取り組むこと。
- 切羽詰まった状態のこと
なんだか、土地(所領)を命懸けで守り抜くということを除けば、一所懸命と同じ意味のようですね。
一所懸命との違い
実は、一生懸命は、時代の流れとともに、一所懸命が転じた言葉なんです。
一所懸命の言葉の持つ意味とその読み方が一所懸命⇒一生懸命に転じていったんです。
いまではどうですか?
「いっしょけんめい」と言わずに「いっしょうけんめい」と言う方が多くなっていませんか。
というより、もはや「一所懸命」は「一生懸命」に駆逐されてしまったと言ってもいいくらいです。
それずれの言葉を独立した言葉だと使用したほうがいいようです。
しかし、土地(所領)を守るための言葉の「一所懸命」は日本史ぐらいでしか、使わないかもしれませんが。
まとめ
「一所懸命」という言葉の意味は、こうです。
- 日本における中世に、武士が与えられた土地(所領)を、命をかけて守り、その土地を頼りにすること。
- 命がけで取り組むこと。
- 切羽詰まっている状態のこと。
そして、この言葉の語源は、日本の中世の武士階級が、主君から賜った先祖伝来の土地を、命懸けで守るということからきています。
よく似た言葉の「一生懸命」はこの一所懸命から転じた言葉です。
ただ、読み方は「一所懸命(いっしょけんめい)」と「一生懸命(いっしょうけんめい)」で違うんです。
今では、元祖の「一所懸命」より「一生懸命」のほうが有名になってしまっています。
言葉は時代とともに、その書き方も使い方も変わって生きんですね。
言葉って生ている不思議なものなんですね。
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