鯖を読むの意味!語源や例文も紹介!ところでなぜ鯖なの?

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「鯖を読む」という言葉があります。
これは、鯖の数を数えるということなんですが、鯖を数えてどうするんでしょうか。


鯖を読むの意味を考える授業をする先生

今回は「鯖を読む」の意味、そして語源を紹介します。
さらに、この言葉は、どういうふうに使うのか、例文も書いておきますね。

そして、さぜ鯖という魚を使っているのかを考えてみましょう。

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目次

鯖を読むの意味

まず、あなたに知っておいてほしいのは、「鯖を読む」の「読む」という言葉の意味です。
一般的には、「文章を読む」などのように、文字を読むという使い方をしますよね。



しかし、たとえば、選挙のときなど、「票を読む」という使い方をします。
「票を読む」とは「票を数える」ということです。

鯖を読むの読むも、票を読むと同じ意味なんです。
「数える」と言う意味で使われているんです。

それでは、そのことを知ったうえで、この言葉の意味はなにかにまいりましょう。

鯖は、捕獲した後の、傷み方が早い魚なんです。
昔は今の様な冷凍技術も設備もありませんでしたから、鯖が捕れたら、ともかく早く売りさばく必要があったんです。



捕れた鯖をゆっくり数えていたら、鯖がいたんで、売り物にならなくなります。
なので、本当の数ではなく、売り手が、自分の損にならないように数をごまかして売ってしまう。



そこから、自分の損にならないように(利益になるように)、数をごまかすこと。
これが、鯖を読むという言葉の意味なんです。

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語源

この言葉の語源は、実は複数あるんです。
いまから、それを紹介していきますね。

鯖は傷みやすいことからきている説

言葉の意味で紹介したように、傷みやすい鯖をいいかげんに数えていたことが、一番有名な語源です。
きちんと鯖の数を数えていたら、傷んでしまうので、適当に自分の利益になるように数えていたという事からきています。

魚市場の専門用語からきている説

江戸時代に、魚市場や魚問屋のことを、「いさば」と言っていました。

江戸時代は冷蔵、冷凍設備なんてありませんから、早く商いをするために、魚を早口で数えたりすることを「いさば読み」と言っていました。

この、いさば読みの「い」がいつのまにか省略されるようになったということです。
そして、いさば読み⇒さば読み⇒さばを読むというふうに言葉が変化していったという説もあります。



魚を早口で数えるので、後になって数が合わないということもあったようです。
鯖は傷みやすい魚ですから、鯖をさばを読むに当てたということなんです。

仏教からきている説

修行僧が食事をするときに、わざと米粒を数粒、器の外にはずしておく。
そのはずした、米粒を集めて、鳥などに食べ物を分け与える。


仏教の慈悲の心から生まれたこの米粒のことを、生飯(さば)といいます。
修行僧は、大勢いますから、飯を炊くときには、この生飯(さば)の分も考えて米を炊かなくてはいけません。


つまり、生飯(さば)を読んで、米を炊かなくてはいけないということです。
この、実際より多く米を炊くという事から、さばを読むという言葉の語源になったということなんです。

鯖街道説

昔は京の都では、魚が手に入りにくく、福井から京へと鯖の塩漬けを運んだ鯖街道と呼ばれた道があります。
鯖は傷みやすいですから、塩をふって運びます。

福井で鯖に萎をふって、京に着くころに、食べごろにしなくてはいけません。
そこで、この時間の読みを「鯖を読む」と言っていたという説です。

「鯖を読む」も、探れば、もっとたくさんの語源の説があるかもしれませんね。

鯖を読むの例文

それでは、実際に、この言葉を使った例文を紹介しますね。

例文

  • あの人は、他の人に年齢を5歳も鯖を読んで若く言ってるんだよ。
  • テストの点数を、20点も鯖を読んで、親に言ってしまった。
  • お見合いのとき、自分の年収を鯖を読んで、100万円も多く言ってしまった。



人には、他の人に良く見られたいという、見えがありますよね。
でも、あまり鯖を読み過ぎるのも、ほどほどにしておかないと、あとで、大変なことになっちゃいますよ。

なぜ鯖なのか

鯖を読むの意味や語源、例文を紹介してきましたが、なぜ、鯖なんでしょうか。

鯖に限らず、冷蔵冷凍技術が無い江戸時代ですよ。
傷みやすい魚はほかにもあるはずです。

ということは、それだけ庶民に鯖という魚が身近な魚だったということなんではないでしょうか。
鯖街道なんて、シルクロードみたいに、街道の名前に鯖をつけるくらいですから。


高級魚ではない身近な魚だったからこそ、鯖を読むなんて言葉に使われたのではないでしょうか。
あまりに、生活からかけはなれた高級魚だったら、言葉として広がらないと思うんです。



ちなみに、江戸時代の料理書で「黒白精味集」という書物に、魚介類の格付けがのっておます。
鯖は・・・・、上中下の中で下にランクされています。

しかし、下にランクされているということは、それだけ庶民が口にしやすかった魚だということではないでしょうか。

鯖という魚が生活の中に自然にとけこんでいた魚だからこそ、「鯖を読む」のいろんな語源の説の「さば」も「鯖」へと変わっていたのではないでしょうか。

まとめ

鯖を読む

鯖を読むという言葉は、今でも使われる言葉です。
語源も複数説があります。

それだけ、身近な言葉なんですが、身近な言葉だからこそ、教訓として覚えておきたい言葉です。

「自分の損にならないように、利益になるように、数をごまかす。」
これは、時と場合によっては、許されないことです。

ひとつ、ごまかしてしまうと、そのあとつじつまを合わせるために、さらにごまかし続けなくてはならなくなります。

あまりに、鯖を読むのも、ご用心ご用心。

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