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微妙という言葉があります。
普段の会話でも結構使う言葉です。
たとえば「その判定は微妙ですね。」「微妙に変化しているね。」
なんて使いますよね。
でもこの「微妙」の使い方って本来の意味で使われているんでしょうか。
今回はけっこう多くの人が本来の意味を忘れている「微妙」という言葉を紹介します。
微妙の意味、類語、そしてなんと仏教との関係も紹介しています。
「微妙」って本当はとってもすてきな意味を持った言葉なんですよ。
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目次
微妙の意味
微妙の本来の意味は、趣(おもむき)が深く、言葉に言いあらわせない美しさや味わいがあるということです。
意外に思いませんでしたか。
微妙とは、趣(おもむき)が深く、何とも言えない美しさや味わいがあることを意味します。
でも、今の生活で微妙と言う言葉をそんな意味で使っているでしょうか。
たとえば、プロ野球の中継でアウトかセーフかわかりにくい時に
「今のプレイはアウトかセーフか微妙なとこですね。」
なんて使っていますね。
この場合は、「きわどくてどちらとも言えない」という意味で微妙と言う言葉を使っています。
ちなみに、文化庁が行った平成26年度「国語に関する世論調査」では
いいか悪いかの判断がつかないときに
「微妙(びみょう)」と言うある・・・・・・・66.2%
ない・・・・・・・33.4%
こういう結果になっています。
言葉の使い方は時代の流れとともに違ってくることもあるんですね。
あなたは、「微妙」を本来の意味で使う派、使わない派、どちらですか。
趣の意味は、何とも言えない心がひかれる雰囲気のことです。
たとえば、浮世絵は絵そのものがかもしだす雰囲気があります。
浮世絵に限らずどんなものでもそのものがかもしだす雰囲気があります。
京都などにある、昔からある庭園も独特の何とも言えない心ひかれる雰囲気がありますね。
「趣(おもむき)」という言葉も日本語らしい、すてきな言葉ですね。
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仏教の言葉から微妙の意味を探る
実は「微妙」は仏教と深い関係がある言葉なんです。
ただ仏教の言葉では「微妙」は「みみょう」と読みます。
そして仏教の言葉で「微妙(みみょう)」というのはこういう意味なんです。
人の感覚ではわからないくらい、つまり言葉で表現できないくらい不思議な感じ
つまり、仏教の言葉で使う「微妙(みみょう)」の意味こそが、「微妙(びみょう)」の本来の意味の源だったんではないでしょうか。
さらにこの「微妙(みみょう)」は平安時代後期に生まれた「今昔物語集」でも仏教用語と同じ意味で使われているんですよ。
「今昔物語集」は西暦1110年~1120年頃に生まれたのではないかと言われている説話集です。
都に住んでいた貴族も使っていたであろう「微妙(みみょう)」という言葉。
その言葉の意味が現代社会で使われている「微妙(びみょう)」の本来の意味と似ているなんておどろきですね。
類語
それでは、「微妙」の類語を紹介します。
- たとえようのない
- 言いようのない
- 言葉にならない
- 口では説明できない
- 言葉では言い尽くせない
- えもいわれぬ
このように、人の感覚では言葉として言いつくせない言葉が「微妙」の類語になります。
日本の言葉ははっきりと表現せず、あいまいな感覚を言葉にしていることが多いので微妙の類語はまだまだ有りそうですね。
微妙と絶妙の意味はどう違うのか
微妙と絶妙。
なんか似ていますね。
せっかくですから、微妙と絶妙の意味の違いも紹介しますね。
絶妙の意味は、これ以上無いくらいに、じょうずに成しとげることです。
つまり絶妙は、ほめ言葉なんですね。
ちなみに微妙も趣(おもむき)が深く、言葉に言いあらわせない
美しさや味わいがあることを意味する本当の意味で使えば、ほめ言葉ですよね。
なので、微妙を本来の意味で使えば微妙と絶妙はともに、ほめ言葉として使えるという事ですね。
しかし、微妙を多少の誤差の意味で使ってしまうと・・・。
微妙と絶妙は北と南くらいにまったく逆方向を向いた言葉の意味になってしまいます。
では次は微妙と絶妙を、漢字の意味で見てみましょう。
- 微妙の「微」は非常に小さい、かすかなことという意味の漢字です。
- 微妙の「妙」は言葉では言い表せないくらい美しく、優れているという意味の漢字です。
- 絶妙の「絶」はこの上なくとか、ものすごく優れているという意味の漢字です。
- 絶妙の「妙」は言葉では言い表せないくらい美しく、優れているという意味の漢字です。
漢字の意味で見てみると、微妙と絶妙は多少の違いはあっても優れているという意味だということがわかります。
つまり、微妙と絶妙を同じようなほめ言葉として使うのか。
逆に微妙と絶妙を北と南くらい反対方向を向いた言葉として使うのか。
どちらの意味で使うかはこれらの言葉を使う人しだいだということですね。
言葉っておもしろいですね。
使う人しだいでまったく逆の意味になってしまいます。
あなたは、微妙と絶妙と言う言葉をどう使いますか。
まとめ
微妙の本来の意味は、趣(おもむき)が深く、言葉に言いあらわせない
美しさや味わいがあるということです。
本来の意味で微妙と言う言葉は、古くは平安時代後期。
1110年~1120年頃生まれたといわれている「今昔物語集」でも使われています。
しかも、仏教用語で使われている「微妙(みみょう)」も「微妙(びみょう)」本来の意味に近い言葉で使われているんです。
新しい言葉は日々誕生しています。
言葉の意味も時代とともに変化することもあります。
けれども、単純に感覚で生まれた言葉はすぐに消えていきます。
日本では、言葉には言霊(ことだま)がやどっていると言われています。
たとえば、運が良い言葉を使っていると本当に運が良くなったりしませんか。
それはやっぱり言葉には不思議な力があると私は思うんです。
微妙と言う言葉。
本来の日本らしいすてきな意味で使ってみませんか。
すてきな言葉は、きっとあなたの味方になってくれますよ。
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