スポンサーリンク
これは私の職場での実話です。
私の会社では複数人の営業マンがいます。
その中でなぜか入社当時から社長から依怙贔屓されている社員がいるんです。
どんな依怙贔屓をされているかというとですね。
同じようなミスをしてもその社員だけは怒られることも注意をされることもありません。
あるとき他の営業マンから社長に対しこんな不満が噴出しました。
「なんで彼だけミスをしても何も言わないんですか?」
「依怙贔屓じゃないんですか!」
そして「他の営業マンに対してパワハラになるんじゃないですか!」と。
え?そのとき私はどうしたのかって?
私は中間管理職として両方の意見を聞きつつその場を穏便におさめました。
とはいえ、依怙贔屓は私が働いているような中小企業では重大な問題になります。
下手をすれば、社員同士の信頼関係もくずれてしまいます。
今回は上司からの依怙贔屓はパワハラにつながるのか。
そしてせっかくですから同じような言葉の贔屓とは何が違うのかをみていきましょう。
スポンサーリンク
目次
依怙贔屓の意味とは
まずは言葉の意味がわからないとはじまりません。
そこでまずは、言葉の意味をみていきましょう。
ところでこの依怙贔屓って漢字読めてますか?
私ははじめてこの漢字を見たときに「???」となって読めませんでした。
依怙贔屓の読み方
「依怙贔屓」は「えこひいき」と読みます。
いや~、30年以上営業マンをやっている私です。
ひらがなで「えこひいき」という言葉は知っていました。
でも漢字で「えこひいき」をこんな難しい漢字で書くとは知りませんでした。
ひらがなでもいいんじゃないとは思うんですよ。
でも漢字を知っていたほうが、ちょっと鼻高々になることができますからこの機会に覚えちゃいませんか。
意味
それでは漢字の読み方もわかったところで、言葉の意味をみてみましょう。
自分の気に入っている人だけ特別扱いすること
「なんだよ、何か特別な言葉の意味でもあるのかと思った。」
「なんかがっかり。」と思っちゃいました?
ご安心ください。
せっかくこの記事を読んでくれているあなた。
そのあなたに鼻高々になるプチ知識をご紹介しないわけがありません。
「えこひいき」を漢字で書くと「依怙贔屓」ですよね。
では「依怙」と「贔屓」の漢字の意味ってわかりますか?
スポンサーリンク
依怙贔屓の語源
漢字で書いてこんな難しい四字熟語。
その言葉の深い意味を知るには、言葉の語源を見ていくにかぎります。
まずは四字熟語を「依怙」と「贔屓」に分けて考えましょう。
「依怙」の語源
まずは「依怙」の語源をみていきましょう。
「依怙」をさらに「依」と「怙」にわけてみましょう。
- 「依」・・・よりどころにする、頼(たの)みにする
- 「怙」・・・たよりにする、たのみ
「依」も「怙」も「たよる」という共通の意味を持っています。
そこから「依怙」とは「頼りのするものに肩入れをする」という意味に転じてきたんです。
「贔屓」の語源
ではつづいて「贔屓」の語源をみていくことにしましょう。
「贔屓」も「贔」と「屓」にわけてみていくことにしましょう。
- 「贔」・・・貝=財貨を3つも持ち、重い荷を持つこと
- 「屓」・・・息を荒くすること
重い財貨を持って、息を荒くする。
そこから転じて「贔屓」とは「特別な人に肩入れをするために力を入れる」となったんです。
「依怙贔屓」の語源
「依怙」の語源+「贔屓」の語源。
この2つの語源から「依怙贔屓」はこんな語源になります。
「依怙贔屓」は「依怙」と「贔屓」という2つの言葉が合わさった四字熟語です。
「依怙」は「頼(たよ)りにする」という意味。
そこから「頼りとする者に肩入れする」という意味に転じた。
「贔屓」は「重い財貨を持って息を荒くする」という意味。
そこから「肩入れする人に力を入れる」という意味に転じた。
なので「頼りとする者に肩入れする」+「肩入れする人に力を入れる」=「依怙贔屓」
「依怙贔屓」=「その人に肩入れをする理由が外から見てはっきりとせず、不平等」ということになったんです。
言葉を分解してみていくことはちょっとめんどうに感じるかもしれません。
でも言葉の本当の意味や語源を深く探っていくには、いい方法なんですよ。
上司の依怙贔屓はパワハラなのか
社会問題にもなっているパワハラ。
まずはパワハラとはなんなのかを理解することにしましょう。
パワハラとは何?
パワハラとは何かを理解することで「依怙贔屓」がパワハラになるのかがみえてきます。
パワハラとはパワーハラスメントの略。
組織や職場の中で、優位に立つ地位を利用して行う行為。
正当な指導や注意の範囲を逸脱し、相手に精神的、肉体的な苦痛を与えること。
ここで勘違いしてはいけないことがあります。
誰だって上司から仕事上などで注意や指導されることはよくあることです。
正当な注意や指導に腹を立て「パワハラだ!」というのは間違っています。
まあ誰だって他の人から注意をされるのは気持ちのいいものではありません。
ただなんでもかんでも「パワハラだ!」と騒ぐのはダメですよ。
上司の依怙贔屓はパワハラ?
パワハラとは何かをみてみましたよね。
ここで私は考えました。
私の職場での依怙贔屓の実話。
これってたしかに他の社員からしたら不平等なことに感じます。
たしかに平等ではないのですが・・・・・。
社長がひとりの営業マンへ依怙贔屓をする。
この行為がはたして、他の特定の社員に精神的、肉体的な苦痛を与えているのでしょうか。
他の社員が不愉快な気持ちになっているのは事実です。
ただそれがパワハラになるかといえば、残念ながらパワハラに当たる可能性は低いと思われます。
この私の職場の実話を置き換えてみましょう。
上司が特定の社員の待遇を優遇している。
↓
他の社員から見ると自分が不平等な扱いをされていると感じる。
↓
不平不満がおきる。
これって組織的には問題ですよね。
でも特定な人へ優位な地位を利用して攻撃しているわではありません。
特定な人が精神的、肉体的な苦痛を与えられているとはなりません。
ん~残念!
個人的には「パワハラだ!」と言いたいんです。
でも言えません。
依怙贔屓とパワハラは別の問題のようです。
上司の依怙贔屓がパワハラになる場合
「じゃあ上司の私が気に入った部下を依怙贔屓しても問題ないんだ!」
なんて思うのは、ちょっと待った!
上司の依怙贔屓がパワハラになる場合もあるんです。
- 上司が依怙贔屓している部下以外の人のことをわざと無視する
- 上司が依怙贔屓している部下以外の人の指導を行わない
- 上司が依怙贔屓している部下以外の人の仕事上の相談にのらない
- 上司が依怙贔屓している部下以外の人の仕事の邪魔をする
- 上司が依怙贔屓している部下以外の人の仕事の成果をまったく認めない
- 上司が依怙贔屓している部下以外の人の仕事の考課をわざと低く報告する
こんなことをやっていると、それはパワハラなんですよ!
上司だからって何やってもいいもんじゃないんです!
相手に不適切に精神的苦痛を与えていると、パワハラになってあなたの責任問題になっちゃいますよ。
贔屓とは何が違うのか
「依怙贔屓」と「贔屓」というそっくりさんの言葉はどう違うんでしょうか。
「贔屓」は「依怙」が無くなっただけだから、同じ意味なんじゃないの?
もしかして今、そんなこと思いませんでしたか?
そんなこと思ったあなたにこんな例文をみていただきましょう。
- 「いつの弊社の商品をご贔屓にしていただき、感謝しております。」
- 「この前はご贔屓にあずかり、ありがとうございます。」
- 「贔屓のプロ野球チームの応援なら仕事休んだって行っちゃうよ。」
依怙贔屓とはちょっと違って感じませんか。
もちろん「贔屓」という言葉にも「気に入った人やものに肩入れする」という意味があります。
ただ例文のように、「贔屓」は「商売で利用する」「愛顧」するという意味もあるんです。
「贔屓」にはプラスなイメージを持つ意味も持った言葉なんです。
一般的に「依怙贔屓」はマイナスなイメージの言葉として使います。
それに対し「贔屓」はプラスなイメージにもマイナスなイメージとしても使う言葉なんです。
ただ上司が特定の部下を「贔屓」してパワハラになるかどうかは「依怙贔屓」のときと同じなんです。
特定の部下に精神的苦痛を与えるような「贔屓」のしかたをすれば、それは「パワハラ」になってしまいます。
スポンサーリンク
まとめ
社会で問題になっているパワハラ。
そのパワハラと依怙贔屓は関係があるのかないのか。
自分の気に入っている人だけ特別扱いすること。
他の人は差別してあつかう。
依怙贔屓の意味からみると、パワハラになるかならないかはケースバイケースです。
単にお気に入りの部下を可愛がるだけではパワハラにはなりません。
ただ、こんな場合はアウトです。
- 自分お気に入りの部下以外の社員をわざと無視する
- 自分お気に入りの部下以外の社員の仕事を邪魔する
- 自分お気に入りの部下以外の社員の仕事を正当な成果として評価しない
- 自分お気に入りの部下以外の社員に対し仕事上の相談にのらない
こんなことをやっていてはパワハラだと訴えられるかもしれませんよ。
じゃあ「贔屓」するだけなら大丈夫なのか?
この場合も「依怙贔屓」と同じです。
特定の人に精神的苦痛を与えるような行為なら「贔屓」でもパワハラになる可能性大なんです。
どんな行為でも、肉体的、精神的苦痛を与えるようなことは絶対にアウトです。
優位な立場に立つ人こそ「実るほど頭が下がる稲穂かな」でいきましょうよ。
そのほうがかっこいいですよ!
スポンサーリンク