スポンサーリンク
新社長のこのあいさつを社内新聞に載せることになりました。
でもひとつ問題が生じてしまったんです。
この画像を見てください。
「つとめる」を漢字変換しようとパソコンに打ち込んだ画像です。
4つのつとめるの漢字。
「努める」「勉める」「勤める」「務める」が表示されてしまいました。
漢字が違うんだから意味も使い方も違うはずです。
あれ?あなたも首をかしげていませんか?
いやいや安心してください。
本当に漢字の同音異義語ってややこしいですよね。
今回は首をかしげているあなたも納得。
まずは努めるの意味と使い方を例文で紹介します。
さらに勤める・務める・勉めるの意味と使い方をみてみましょう。
4つの「つとめる」の使い分けはどうすればいいのか。
そのことも解決していきます。
それではまいりましょう。
スポンサーリンク
目次
努めるの意味と使い方
まずは4つの「つとめる」のひとつ努めるです。
「努める」の意味はこうなります。
力をつくすこと
つまり「力のかぎりがんばる」ことを意味します
努めるというのは「力のかぎり努力する」ということなんです。
使い方
それでは「努める」の使い方を例文でみてみましょう。
- お客様ファーストの売り場にするように努める
- 信用回復にに努める
- 新しい法律の周知に努めます
- 業績のV字回復に努めます
あれ?例文の「業績のV字回復に努めます」ってどこかで見たような・・・
そうです!この記事の冒頭のあった新社長のあいさつです。
なるほど!V字回復にがんばるということで「努める」となるんですね。
これで新社長のあいさつを載せる社内新聞の問題は解決です。
スポンサーリンク
勤めるの意味と使い方
え~っと。
部長命令もあったことですしほかの「つとめる」も調べますね。
まずは「勤める」の意味をみてみましょう。
- 職について働くこと
- お坊さんが修行にはげむこと
「希望の企業に勤める」「お坊さんが修行に勤める」なんて使います。
普通は「職について働くこと」のほうを「勤める」で使います。
使い方
つぎに勤めるの使い方を例文で紹介します。
- 定年まで勤めれば退職金がもらえる
- 新しい会社に勤める
- お坊さんが朝のお勤めをしている
- 勤める人が減少している
勤労や仏道にはげむことについて「勤める」を使います。
務めるの意味と使い方
務めるは「勤務」の「務」になります。
職に職について働く「勤める」をどうすれば「勤務」になるのでしょうか。
勤務するからには一生懸命に努力しますよね。
なので「務める」の意味はこうなります。
- あたえられた役目を果たす
- 引き受けた任務を果たす
「部長を務める」「映画の主役を務める」なんて使います。
使い方
つぎは務めるの使い方を例文で紹介します。
- 結婚式の司会を務める
- 演劇の大切なわき役を務める
- 文化祭の出し物をきめるために議長を務める
- 優勝するためにキャプテンを務める
引き受けたことやあたえられたことは、一生懸命に行う。
それが「務める」なんです。
勉めるの意味と使い方
4つの「つとめる」の最後は「勉める」です。
じつは「勉める」は「努める」の常用外漢字なんです。
公文書や新聞、雑誌などで使う漢字の目安を常用漢字といいます。
その外なんですから、常用漢字にふくまれない漢字を常用外漢字といいます。
なので「勉める」は「努める」と同じ意味の言葉になります。
つまり「力のかぎりがんばる」という意味になります。
それでは「勉める」と「努める」になにか違いはないのでしょうか。
「勉める」と「努める」の違い
こんなときには漢字の意味をみてみるとヒントがあるんです。
勉とは
「勉」というのはどんな意味を持つ漢字なんでしょうか。
じつは「勉」は「力をだしてがんばる」という意味を持つ漢字なんです。
努とは
つぎに「努」という漢字をみてみましょう。
「怒」は「奴」+「力」でできている漢字です。
「奴」は奴隷を意味します。
なので「奴隷が力いっぱい働く」というのが「怒」という漢字の成り立ちなんです。
「勉める」と「努める」の違い
「力をだしてがんばる」という意味の「勉」。
そして「奴隷が力いっぱい働く」という成り立ちの「怒」。
「怒」は無理やり働かせられています。
それに対し「勉」は自分の意思で頑張っています。
なので「勉める」はポジティブな意味を持ちます。
そして「努める」はネガティブな意味を持っているんです。
ただしこの違いはあくまで常用漢字である「努める」。
そしてその「努める」の常用外漢字である「勉める」。
この2つの違いを探すために深堀しました。
でも今ではポジティブもネガティブもありません。
「努める」も「勉める」も「力のかぎりがんばる」という意味を持っています。
勉めるの使い方
では「努める」の常用外漢字である「勉める」の使い方を例文で紹介します。
- 新しい仕事に勉めている
- 営業成績アップに勉めている
- 市長は市民が幸福になるよう勉めている
- 勉めて居残り練習をしている
「勉める」は「努める」と同じように使ってください。
ですから無理に「勉める」は使わなくてもいいと思います。
努める・勤める・務める・勉めるの使い分け
いままで4つの「つとめる」を見てきました。
4つの「つとめる」の使い分けはどうすればいいのか。
それは意味の違いで使い分ければいいんです。
4つの「つとめる」の覚え方
ひとつひとつの「つとめる」の意味を覚えるのもいいでしょう。
でもここでは感覚的な覚え方を紹介します。
- 「努める」・・・努力するということで「力の限りがんばる」
- 「勤める」・・・勤務するということで「職に就いて働く」
- 「務める」・・・任務ということで「引き受けた任務を果たす」
- 「勉める」・・・「努める」と同じ。使わなくてもO.K
それぞれイメージして感覚的に覚える。
そうすれば4つの「つとめる」の使い分けがわかりやすくなります。
スポンサーリンク
まとめ
「つとめる」をパソコンで変換しようとすると・・・
こんふうに「努める」「勤める」「務める」「勉める」と4つの言葉が出てきます。
「勉める」は「努める」の常用外漢字としての使い方です。
ですから「勉める」と「努める」は同じように使えます。
ということで実質3つの「つとめる」になります。
それぞれの「つとめる」の使い分けは意味の違いで使い分けます。
- 「努める」・・・力のかぎりがんばる
- 「勤める」・・・職に就いて働く
- 「務める」・・・あたえられた任務をはたす
ひらがなでは同じ「つとめる」。
でも漢字にすると意味がまったく違ってくるんです。
今回は以上です。
あなたのご参考になりましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
スポンサーリンク