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「大丈夫(だいじょうぶ)」と言う言葉があります。
日常でもよく使う言葉ですね。
ところで、あなたにおたずねします。
「大丈夫(だいじょうぶ)」をこういう会話で使っているのを聞いたことがありませんか。
お客さん:「いや、大丈夫です。」
何気ない日常の会話ですが、この会話での「大丈夫」の使い方は間違っていることに気がつきましたか。
今回は、日常よく使うからこそ知っておきたい「大丈夫」の意味、語源を書いています。
そして、「大丈夫」の仏教との関係や使い方も紹介しています。
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目次
大丈夫の意味
「大丈夫(だいじょうぶ)」の意味は「goo国語辞書」によればこうなっています。
1 あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
2 まちがいがなくて確かなさま。
このようになっています。
ところで、最初にあなたにおたずねした会話。
お客さん:「いや、大丈夫です。」
この会話で使われている「大丈夫」は本来の「大丈夫」の意味では成り立たない会話です。
「大丈夫」の意味が本来の意味とは間違って使われているようです。
どうしてこういうふうに「大丈夫」が使われるようになったのか。
「大丈夫」と言う言葉を正しく知ることで理解できるようになります。
ぜひ最後まで読んでみてください。
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語源
「大丈夫」と言う言葉はもともと中国から来た言葉です。
時代は古代中国周の時代(紀元前1050年頃~紀元前260年頃)にさかのぼります。
周時代の長狭の単位で「一丈」とは約180cm(約220cmという説もあります)をあらわしていました。
この「丈」の長さが周時代の男性の平均身長に近いことから、男性のことを「丈夫」と言っていました。
「丈夫」の「夫」は現在で言う夫婦の夫のことではなく男性のことを意味します。
そして、男性の中でも強くて立派な男性のことを「大丈夫」と読んでいました。
この「大丈夫」という言葉が日本に伝わり立派な成人男性のことを「大丈夫」と言っていました。
そこから立派な男性がいてくれれば安心だということから「大丈夫」という言葉の意味は変化していきました。
そして、今では「大丈夫」の意味はこのようになりました。
「goo国語辞書」より
1 あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
2 まちがいがなくて確かなさま。
日本は遣唐使や遣隋使を唐や隋に派遣し、中国文明をいろいろ学んで日本に持ち帰っていました。
なので、中国の言葉も日本の言葉の中に広がっていったんですね。
日本で長さの単位で「丈(じょう)」という単位があります。
「丈」は約3.03メートルの長さのことをあらわします。
大丈夫と仏教の関係
古代インドで生まれた仏教。
その仏教は古代インドで生まれた宗教ですが、日本には朝鮮半島をへて6世紀中頃に伝来しました。
仏教用語で「大丈夫」とは菩薩(ぼさつ)のことを示します。
人を人生の苦しみから救いたいと悟りを開くため修行を行っている修行者のことを菩薩と言っていました。
古代中国の周時代に生まれた、立派な男性を意味する「大丈夫」。
この「大丈夫」とはまったく意味が違います。
しかし、こうは考えられないでしょうか。
人を人生の苦しみから救うために、修行をする。
自分たちを人生の苦しみから救おうと、がんばって終業している修行者=「菩薩(ぼさつ)」。
立派な、その人のそばにいれば安心する男性を意味する「大丈夫」。
その「大丈夫」が自分たちを人生の苦しみから救ってくれる「菩薩(ぼさつ)」と同じ言葉で使われていったとしても不思議はありません。
この3つのことが時間の流れをへて同じ「大丈夫」という言葉になっても不思議はありません。
なぜなら、言葉は人が生み出し、人の生活の中で使われ変化していくものだからです。
女性の大丈夫は女丈夫(じょじょうぶ)
ところで、「大丈夫」が立派な安心できる男性のことなら「女丈夫」という言葉はないのでしょうか。
ありますよ!
「女丈夫」は「じょじょうぶ」と読みます。
ただし、立派な安心できる女性のことを意味する言葉ではありません。
たとえば、勝気で、しっかりとした女性のことを「女丈夫」と言います。
今、「女丈夫」な女性が社会でどんどん活躍しています。
「女丈夫」な女性と「大丈夫」な男性が社会ためにがんばっていますね。
「勝気」とは、気が強く、負けん気が強い性格のこと
大丈夫の使い方の例文
「大丈夫」は今では誤用されていることも多いようです。
なので、「大丈夫」の使い方の例文を紹介しますね。
大丈夫の正しい使い方の例文
- この建物は震度7までの地震には大丈夫です。
- この仕事は、彼にまかせておけば大丈夫!
- もう高熱がさがったから大丈夫ね。
- 福岡に行くにはこの方向で大丈夫?
- 彼が来てくれたからにはもう大丈夫だ。
これらの文章は、安心できるとか、間違いないたしかなさまとして「大丈夫」が使われています。
「大丈夫」は本来、こういう使い方をするのが正しい使い方なんです。
大丈夫の間違った使い方の例文
- 「本にカバーをお付けしますか?」
「大丈夫です。」 - 「次の店にいっしょに行ける?
「大丈夫です。」 - この商品、袋に入れますか?
「いや、大丈夫です。」 - このお菓子、美味しいから食べてみませんか?
「大丈夫です。お気遣いなく。」 - この服、試着しても大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですよ。」
どうも「大丈夫」を断り文句や可能、不可能の意味で誤用することが多いようです。
断わり文句で使う場合は「大丈夫」という言葉を使った方が、相手にやわらかく断る感じがして使われているようです。
さらに、「大丈夫」を可能、不可能の意味で使う場合も丁寧(ていねい)な感じがするということで使われているようです。
言葉の意味を間違った使い方をしていても、多くの人が違った使い方をし続ければ、それが正しい使い方になってしまうのでしょうか。
あなたはどう思いますか。
まとめ
「大丈夫」はこういう意味になります。
「goo国語辞書」より
1 あぶなげがなく安心できるさま。強くてしっかりしているさま。
2 まちがいがなくて確かなさま。
この「大丈夫」という言葉は、周時代の中国で生まれて日本に伝わってきた言葉です。
しかも、中国をへて伝わった言葉だけに仏教とも関連のある言葉なんです。
仏教用語で「大丈夫」とは菩薩(修行者のことを意味する)のことを意味します。
みんなを救うために修行している人と、立派な人とが同じ言葉で言っていたなんて、文化の交わりを感じますね。
そしてなんと、勝気な女性のことを「女丈夫(じょじょうぶ)」と言うんですよ。
女丈夫な女性が今社会で活躍していますね。
そのうち「女丈夫」が「大丈夫」の意味で使われることもあるかもしれませんね。
ちなみに、今では「大丈夫」という言葉を本来の意味とは違う意味で使っている人がいます。
断わりや可能不可能の意味で「大丈夫」を使っています。
言葉は、間違った意味で使い続けると本来の意味を失ってしまいます。
言葉は長い歴史をへて生まれた言葉も多いです。
意味なく感覚で言葉を使うと本来の言葉の意味とはかけ離れた意味になってしまいます。
「大丈夫」という言葉を大切に使っていきたいですね。
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