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「今日はシェフの料理を堪能いたしました。」
「今日はシェフの料理で満喫しました。」
なんだか似ているような違うような「堪能」と「満喫」という言葉。
ということで今回は、この2つの言葉の意味の違いを紹介します。
さらに堪能の読み方と同義語もみていきましょう。
じつは「堪能」って2種類の読み方と2種類のまったく違う意味を持った言葉だって知ってました?
社会人として知っておいて損はありませんよ。
それでは、まいりましょう!
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目次
堪能の意味
漢字の言葉は読むことができないと、意味を想像することも調べることもできません。
なのでまずは堪能の読み方を紹介してそのあとすぐに意味を紹介します。
読み方
じつは「堪能」という漢字の言葉には2種類の読み方があるんです。
- たんのう
- かんのう
それぞれの読み方で同じ「堪能」という言葉なのに意味が全く違ってきます。
一般的には「たんのう」と読むことが多いのですが、せっかくですから「かんのう」と読んだ時の意味もみていくことにしましょう。
あんがい「かんのう」と読むことを知らない人もいますから、読み方と意味を覚えてあなたの雑学を増やしちゃいましょう。
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意味
「たんのう」と読むときにはこんな意味になります。
心の底から満足すること。
「かんのう」と読むときにはこんな意味になります。
技術や学問など才能がすぐれていること。
どうして読み方が2種類あり、それぞれ意味が違ってくるんでしょうか。
じつは「堪能」は「かんのう」と読んだときの意味が本来の意味なんです。
「堪能」の「堪」という漢字は「優れている」という意味を持っています。
そして「能」という漢字は「成しとげる力」という意味を持っているんです。
なので「堪」+「能」で「成しとげる力が優れている」という意味になります。
例えば「彼はアメリカ人なのに日本語が堪能だ。」と言えば、「日本語が上手にしゃべれる。」ということになります。
ただ今では「日本語が堪能だ。」と言うときには「かんのう」と言わずに「たんのう」と言うのが普通になっています。
ですので「日本語が堪能だ。」は「日本語がかんのうだ。」と言わないと間違っているとは言えないようです。
言葉の読み方や意味は時間とともに変化する場合がありますから。
ではなぜ「心の底から満足する」ことも「堪能(たんのう)」と言うのでしょうか。
じつは「心の底から満足する」という意味で使う「堪能」という漢字は、当て字なんです。
もともとは「足る(たる)」に強調の「ぬ」をつけた「足りぬ(たりぬ)」という言葉だったんです。
この「足りぬ」が「足んぬ」と言い方が変化していき、当て字として「堪能」という漢字が当てられたということです。
ですから「堪能」という熟語の意味が「十分に足りる」⇒「心の底から満足する」というようになりました。
当て字というのは「漢字の意味を考えずに読み方だけで漢字を当てる。」ことを意味します。
有名な当て字では「珈琲(コーヒー)」「浪漫(ロマン)」「基督(キリスト)」などがあります。
堪能の使い方
せっかく「堪能」について色々とみてきましたから、実際に例文で使い方も紹介します。
意味が2種類ありますから、それぞれに例文を分けています。
「心の底から満足すること」の時の例文
- めったに食べることのできない高級フランス料理を堪能した。
- 家族旅行で北海道を堪能した。
- 田舎で自然を堪能した。
「技術や学問など才能がすぐれていること」の時の例文
- 今度の新入社員はアメリカ留学の経験があり、英語が堪能だ。
- 彼女は陶芸に堪能です。
- 彼は細かな作業が本当に堪能です。
同義語
堪能は「心の底から満足すること。」と「技術や学問など才能がすぐれていること。」というまったく違った2つの意味を持ったおもしろい言葉です。
ですので、それぞれの意味での同義語を紹介していきます。
堪能の意味 | 同義語 |
心の底から満足すること | 醍醐味 |
充足感 | |
充実 | |
豊か | |
至福 | |
最高 |
堪能の意味 | 同義語 |
技術や学問など才能がすぐれていること | 熟練 |
才能がある | |
達者 | |
巧み | |
上手 | |
有能 |
漢字で書けば同じ「堪能」なのに意味が2種類あるので、同義語もまったく違った言葉になっています。
満喫の意味
それでは次に「堪能」と似ているような違うような「満喫」についてみていきましょう。
読み方
- 満喫は「まんきつ」と読みます。
読み方は「まんきつ」ひとつですからご安心を。
意味
満喫の意味はこうなります。
- おもいっきり飲食すること。
- 心の底から満足するまで楽しむこと。
満喫の意味をみてみると、なんだか堪能と似ているような気もしますね。
では「堪能」と「満喫」の意味はどう違うのでしょうか。
堪能と満喫の意味の違いは何?
「堪能」の本来の意味である「技術や学問など才能がすぐれていること。」
この本来の意味だけで「堪能」が使われているのなら「おもいっきり飲食すること。」「心の底から満足するまで楽しむこと。」という意味の「満喫」とはまった意味の違う言葉になります。
ところが先ほどみてきたように、「心の底から満足すること。」の意味を持つ言葉「足んぬ」に当て字として「堪能」をつけてしまったので、ややこしくなってしまったんです。
ですので「堪能」を「心の底から満足すること。」という意味で使う時には「満喫」とほとんど同じ意味だと言ってもいいようです。
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まとめ
今回は「堪能」の意味と読み方。
そして似たような言葉の「満喫」とはどう違うのか。
さらに「堪能」の同義語と使い方についても紹介しました。
堪能の読み方には「たんのう」「かんのう」と2種類の読み方があり、読み方が違うと意味も違う不思議な言葉なんです。
心の底から満足すること。
「かんのう」と読むときにはこんな意味になります。
技術や学問など才能がすぐれていること。
今では「技術や学問など才能がすぐれていること」の意味で使う場合も「たんのう」と言うのが普通になっています。
言葉には歴史があります。
時間とともに読み方や意味が大きく変わってしまう言葉もあります。
「堪能」もまさにそんな言葉なんですね。
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